ガイドラインの目的
本ガイドラインではSpring Framework、Spring Batch、MyBatis を中心としたフルスタックフレームワークを利用して、 保守性の高いバッチアプリケーション開発をするためのベストプラクティスを提供する。
本ガイドラインを読むことで、ソフトウェア開発(主にコーディング)が円滑に進むことを期待する。
ガイドラインの対象読者
本ガイドラインはソフトウェア開発経験のあるアーキテクトやプログラマ向けに書かれており、 以下の知識があることを前提としている。
-
Spring FrameworkのDIやAOPに関する基礎的な知識がある
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Javaを使用してアプリケーションを開発したことがある
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SQLに関する知識がある
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Mavenを使用したことがある
これからJavaを勉強し始めるという人向けではない。
Spring Frameworkに関して、本ドキュメントを読むための基礎知識があるかどうかを測るために Spring Framework理解度チェックテスト を参照するとよい。 この理解度テストが4割回答できない場合は、別途以下のような書籍で学習することを推奨する。
ガイドラインの構成
まず、重要なこととして、本ガイドラインは TERASOLUNA Server Framework for Java (5.x) Development Guideline (以降、TERASOLUNA Server 5.x 開発ガイドライン)のサブセットとして位置づけている。 出来る限りTERASOLUNA Server 5.x 開発ガイドラインを活用し説明の重複を省くことで、ユーザの学習コスト低減を狙っている。 よって随所にTERASOLUNA Server 5.x 開発ガイドラインへの参照を示しているため、両方のガイドを活用しながら開発を進めていってほしい。
- TERASOLUNA Batch Framework for Java (5.x)のコンセプト
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バッチ処理の基本的な考え方、TERASOLUNA Batch Framework for Java (5.x)の基本的な考え方、Spring Batchの概要を説明する。
- アプリケーション開発の流れ
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TERASOLUNA Batch Framework for Java (5.x)を利用してアプリケーション開発する上で必ず押さえておかなくてはならない知識や作法について説明する。
- ジョブの起動
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同期実行、非同期実行、起動パラメータといったジョブの起動方法について説明する。
- データの入出力
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データベースアクセス、ファイルアクセスといった、各種リソースへの入出力について説明する。
- 異常系への対応
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入力チェックや例外ハンドリングといった異常系について説明する。
- ジョブの管理
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ジョブの実行管理の方法について説明する。
- フロー制御と並列・多重処理
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ジョブを並列処理/分散処理する方法について説明する。
ガイドラインの読み方
以下のコンテンツはTERASOLUNA Batch Framework for Java (5.x)を使用するすべての開発者が読むことを強く推奨する。
以下のコンテンツは通常必要となるため、基本的には読んでおくこと。 開発対象に応じて、取捨選択するとよい。
以下のコンテンツは一歩進んだ実装をする際にはじめて参照すれば良い。
ガイドラインの表記
本ガイドラインの表記について、留意事項を述べる。
- WindowsコマンドプロンプトとUnix系ターミナルについて
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WindowsとUnix系では表記の違いで動作しなくなる場合は併記する。 そうでない場合は、Unix系の表記で統一する。
- プロンプト記号
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Unix系の
$
にて表記する。
$ java -version
- Bean定義のプロパティとコンストラクタについて
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本ガイドラインでは、
p
とc
のネームスペースを用いた表記とする。 ネームスペースを用いることで、Bean定義の記述が簡潔になったり、コンストラクタ引数が明確になる効果がある。
<bean class="org.springframework.batch.item.file.mapping.DefaultLineMapper">
<property name="lineTokenizer">
<bean class="org.terasoluna.batch.item.file.transform.FixedByteLengthLineTokenizer"
c:ranges="1-6, 7-10, 11-12, 13-22, 23-32"
c:charset="MS932"
p:names="branchId,year,month,customerId,amount"/>
</property>
</bean>
参考までに、ネームスペースを利用しない記述を示す。
<bean class="org.springframework.batch.item.file.mapping.DefaultLineMapper">
<property name="lineTokenizer">
<bean class="org.terasoluna.batch.item.file.transform.FixedByteLengthLineTokenizer">
<constructor-arg index="0" value="1-6, 7-10, 11-12, 13-22, 23-32"/>
<constructor-arg index="1" value="MS932"/>
<property name="names" value="branchId,year,month,customerId,amount"/>
</property>
</bean>
なお、ユーザに対してネームスペースを用いる記述を強要することはない。 あくまで説明を簡潔にするための配慮であると受け止めてほしい。
ガイドラインの動作検証環境
本ガイドラインで説明している内容の動作検証環境については、 「 テスト済み環境 」を参照されたい。